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その一押し

今日は1泊2日の訪問看護。ちょうど日本へ行く前に来た場所です。こんな山の上にある村。下界は40℃近いというのに、ここはヒンヤリとするほど。逆に冬は異常な寒さですけどね。景色最高です。
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そして、豚さんがのんび~りと寝そべっていられるくらいのどか。かわいい~。…なんて言ってる場合じゃなくてお仕事!
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この村に来ると必ず目的以外の患者さんが現れるんです。今日もこの生後14日という赤ちゃんを連れたご夫婦。赤ちゃんの首に何かできて大きくなっているというのです。
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近くのヘルスセンター(と言ってもかなり遠い!)へ行きましたが、「ここでは何もできないです。」と言われて帰って来たそうです。確かに胸鎖乳突筋あたりに何かがしがみついたようにありますが、この場でなんとも言えません。ただ触ると泣くので痛みがあるのだと察します。もしどんどん大きくなり続けたら、気道や食道を圧迫してしまうことになり危険です。診断ができる(レントゲンや超音波のある)病院へ行くように話すと、「一緒に連れて行ってください。」とモジモジ…。

どうせ病院へ戻るので、帰り道ならば搬送することは全く問題ないのですが、今日はそこから全く違う方向へ移動し、違う方面から明日町へ戻るので、「自分たちで行かれない?」と聞くと、「街へ行ってどうしたらいいのか…」と不安そうに言うんです。そうですよね。私が初めてアメリカへ行ったときのような感覚なんだろうな。

そこで、街へ行って、子ども病院へ行きたいと言えば大丈夫であることや、当院の患者カードを作成して渡して、これを見せたら分かることを伝えたり、院内にいる訪問看護スタッフの電話番号を教えて、更にお母さんたちの写真を撮って目の前でLINEを使って病院へ送り(それがこの写真。ふふ)、準備万端だから大丈夫!と念をおしたら、お父さんも「ハイ、明日5時に起きてオートバイで行きます!」と言ってくれました。良かった。4-5時間はかかるけど、とにかく医療にたどり着いてもらわなくちゃ。

レントゲンもないヘルスセンターが「ここではできません」と言うのは当たり前ですが、そこから、「ここの病院へ行きなさい。こうやっていくんだよ。」という一言があったらずいぶんと違うんだろうなぁ~と思いました。ちょっとした一押しで、医療にかかれるか否かが分かれちゃうってこと、今日学びました。明日は何があるかなぁ。
by kazumi_Cambodia | 2016-06-21 00:43 | 赤尾さん活動報告

カンボジア・ラオス・ミヤンマーで小児医療に関わる赤尾和美さん応援サイトです。


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