祈り…
2017年 04月 08日
緩和ケアのお話です。7歳のKちゃんが当院に来たのは先月のことでした。片眼の摘出手術を別の病院で受け、嘔気・嘔吐が発生して来院しました。病歴の詳細がなかなかつかめずにいましたが、どうやら脳腫瘍で眼球へも広がってしまったことによる眼球摘出と予測されました。別のCT脳内に大きな主要があることも分かり回復は見込めないと判断しました。家族へそのことを説明し、退院し自宅で緩和ケアを提供することになりました。自宅へ戻って約1か月が経ちます。痛みには痛み止め、嘔吐にはステロイド剤が効果がありました。しかし、まもなく意識の混濁食事摂取困難になり、極度のるい痩で床ずれができてしまう。ツールの無いところで出来る限りのことはしているけど…。家族の顔にも疲労が見えています。心にたまったことを吐き出してもらうようひとしきりの時間を過ごして家を離れる時に目に入ったのがこれ。祈祷師にお払いをしてもらった印です。 …とふと気になったのが、もしや説明不足でご家族はKちゃんの回復を期待している??ということでした。これまでにも時々ありました。言語の障害や表現し違いでなかなか伝わっていなかったということ。でも、Kちゃんのご家族にはちゃんと理解されていました。そして、これはKちゃんへの『祈り』なのでした。私たちも祈ります。少しでも安らかに…。
by kazumi_Cambodia
| 2017-04-08 14:44