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訪問看護から卒業

訪問看護の最終ゴールは、「自立した生活と健康管理」です。一生私たちが通い詰めることは現実的ではないですものね。ですから、自立の時が訪問看護からの卒業の時です。ただ、卒業も慎重に慎重にしています。「もうそろそろ大丈夫だな」とスタッフがアセスメントした時に、一度仮卒業としてストップ、3ヵ月後に再度訪問し、以前と同じ自立した状況であったら、本卒業としています。実は、これは訪問看護を始めた当初のにが~い経験からの知恵なのです。026.gif

それは、産まれたばかりの赤ちゃんが、親戚に預けられお母さんが蒸発してしまったケースでした。その親戚の家族に育てる意思は満々あったのですが、粉ミルクの使い方を知りませんでした。そこで、こまめに通って、粉ミルクの作り方、与え方、哺乳瓶の保管の仕方、衛生などなどたくさんのことを習慣づけてもらえるようにしました。そして、半年経ち、家族もすっかり自信が付きましたし、赤ちゃんも順調に成長しているので、「大成功!」と離乳食の開始の説明をして訪問看護から卒業としました。・・・が、その半年後、その赤ちゃんが栄養失調で戻ってきちゃった・・・。008.gif 離乳食の開始の話はしたけれど、実際に離乳食を与えることが出来ているかを確認せずに卒業にしてしまったことに大きなミスがあったのです。

写真のSちゃんも3ヶ月前に仮卒業しました。そして、いよいよ本卒業なるか・・という訪問でした。中には「逆戻りしてる・・」という状況に、定期的な訪問看護の再開をしなければならず、がっくり・・ということもあるので、こちらも緊張します。
Sちゃんは、大丈夫だった!良かった~。そして、最後のお勉強です。時計の読み方の復習です。電卓を使って「数字が読めるかな?」「自分のお薬を飲む時間はどの数字?」と何度も確認です。そして卒業記念にお薬の時間5分前にアラームをセットした腕時計のプレゼントです。
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by kazumi_Cambodia | 2012-05-27 00:16 | 赤尾さん活動報告

カンボジア・ラオス・ミヤンマーで小児医療に関わる赤尾和美さん応援サイトです。


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